私の好きな映画

tetsu8
2025/06/05 14:34

舟木一夫の出演映画 その2

引き続き、舟木一夫である。今回も堺正章の項とかぶる部分が多いかも。

64年、大映で「続・高校三年生」が製作された。主演は前作同様、姿美千子と倉石功で、舟木は倉石の友人だが、高校三年生ではなく製鉄所の工員という役柄だ。高三役には渚まゆみ、東京子で、東の母親役が根岸明美。根岸が営むバーの客が成田三樹夫だが、二人は深い関係にあるらしい。成田が青春映画に出ているのは珍しい気がする。他に滝田裕介、内田朝雄、松村達雄、早川雄三らで、工藤堅太郎や堺正章も高校生役だが、堺の役は「男子生徒A」で今回はチョイ役扱いである。東京子は倉石と同期の大映ニューフェイス16期生で、当初は高山京子を名乗っていたがこの64年に改名。東京出身かどうかは不明だ。50年代にも同名の人の出演記録があるが別人であろう。
 

もう一本は日活で「あゝ青春の胸の血は」に出演。主演は山内賢、和泉雅子の「二人の銀座」コンビ。舟木は和泉の幼馴染で、クリーニング店の店員という役。結局、東映の二本以外はいずれも助演のポジションであった。他の出演者は小高雄二、平田大三郎、進千賀子、二本柳寛、菅井一郎、東野英治郎などである。
 

ここでテレビドラマに目を向けると舟木はNHKの大河ドラマ赤穂浪士に四十七士のの一人、矢頭右衛門七役で出演。主演は長谷川一夫(大石内蔵助役)で、「一夫共演」は話題になったようだ。本作は大佛次郎の小説を原作としており、その主人公は堀田隼人という各空の浪人で、それを演じたのは林与一長谷川一夫は義理の大叔父にあたる。舟木と林は年齢が近いこともあり、この共演で親しくなり、長い付き合いが続くことになったという。

 

65年は日活作品4本に出演。映画では助演の多かった舟木だが、この年は全て主演である。本人は若い人が多くてやりやすかったと語っていたようだ。
 

花咲く乙女たち」は、舟木の18枚目シングルタイトルでもある。女性が主人公のようなタイトルだが、舟木が主演である。ヒロイン役は西尾三枝子で、二人は働きながら定時制高校に通っているという設定。西尾の同僚役に田代みどり、伊藤るり子、浜川智子(浜かおる)、岡田可愛など。山内賢、堺正章はチンピラだが、舟木と親しくなるという役。他に小池朝雄、金子信雄、菅井一郎など。谷隼人(当時岩谷肇)が不良学生役でちょっとだけ出ているようだ。谷によれば、資料などでは日活のニューフェイス(第7期)となっているが、それはウソで、高校を中退して夜の商売をやっている時に日活の人に声をかけられて、映画に出ることになったので、アルバイトのようなものだと語っている。「同期」である沖田駿一らと横並びで写っている写真も存在するので、スカウトで入ったがニューフェイス扱いになっているということかもしれない。

北国の街」は、舟木の22枚目シングルタイトルでもある。映画公開時(65年3月)舟木は、本作を含め3枚のシングルを発売している(同時発売かどうかは不明)。映画の原作は富島健夫「雪の記」で、脚本が倉本聰という悲恋ものだ。ヒロインは和泉雅子で、共演は山内賢、根岸一正、岡田可愛、葉山良二など。岡田は14歳の時「キューポラのある街」(62年日活)で映画デビュー。日活と東宝で並行して出演していたが、この年青春ドラマ「青春とはなんだ」の生徒役に起用されてからは、ほぼ東宝での出演が続くことになる。根岸一正の映画デビューは舟木も出演した「学園広場」で、「非行少年」(64年)では主役の番長を演じている。本作でも番長みたいな役だ。

東京は恋する」は、舟木の25枚目シングルタイトルでもある。舟木は美大を目指して広告会社で看板描きのアルバイトをする浪人生という役。ヒロイン役は伊藤るり子で、共演は和田浩治、葉山良二、山本陽子、杉山俊夫、桂小金治、堺正章など。「ヤングスター」という架空バンドが登場するが、メンバーは和田浩治、杉山俊夫、木下雅弘、市村博、市川好郎らだが、後に和田、杉山、木下と山内賢、杉山の実弟・杉山元による「ヤングアンドフレッシュ」が結成される。翌66年からスパイダース映画などに登場するが、杉山俊夫の姿はなかった。
 

高原のお嬢さん」は、舟木の31枚目シングルタイトルでもある。ヒロイン役は二度目の和泉雅子。今回は西尾三枝子も共演している。他に山内賢、葉山良二、堀恭子、武藤章生など。堺正章は舞台となる蓼科農場の従業員として出演しているが、田辺昭知とザ・スパイダースがおそらく本人たち役で登場する。裕次郎や旭の主演作に翳りが見え始め、この年の興行収入1位は本作だったらしい。

OSZAR »
コメントする
OSZAR »